2010年4月3日土曜日

「健全な育成」の定義は?

私が理系の所為か、文系に属する条例/条文がよくわかっていないところがあるんですが、都の青少年健全育成条例の条文内で、「心身ともに健全」というのは、どのような定義になるのでしょうか?というのは、この条例が目指すのは、心身共に健全な青少年の育成を目指す環境を作りましょうという事のはずです。ところが、この心身ともに健全な状態というのはどこにも定義がありません。また、誰にとっての健全な状態なのかについても、同様に未定義です。例えば、ここで言う健全な状態というのは、未成年でセックスしない事なのか、親の前では従順にしていれば裏でどれだけ陰湿な苛めをしていてもいいという事なのか、盲目的に自分たちに付き従う様なゾンビの様な存在でもいいのかって言うのは、未定義な訳です。別の例えをするのならば、この条例は長距離走のゴールやそこまでのコースを見せない様にしておきながら、やれ靴はどこのメーカーにしろだの、服装はこのメーカーのにしろだの、応援は俺たちが許可するところまでにしろだのと、都合のいい事ばかりが盛り込まれている様な気がします。でも、それって、おかしくないですか?曖昧さを残す事は法律/条例ではよくある事なのですが、それは運用する側の一存で、好き勝手にできるという事です。それこそ、青少年に見せたら悪影響を与える様に思えますが、それについてはどうお考えなのでしょうか?目標が未定義という事は、自分たちの都合のいい様に運用する事ができる事と同義ですから。まぁ、この部分は条例の肝心要の部分なので、はっきりと定義した時点ですべてが明確になるはずなのですが、曖昧にしておいた方が「自分たちにとっての健全な状態」というのを隠しておけます。
なお、女性の結婚年齢が16歳からというのは都条例よりも上位の民法731条で定義されているので、未成年がセックスしてはいけないというのは必ずしも正しくはありません。

2010年3月30日火曜日

青少年健全育成条例改正案の目的

東京都の青少年健全育成条例改正案は、最終的に情報統制と表現の自由の剥奪、都合の悪い情報の隠蔽等を目的としており、憲法21条の保護とともに到底成立させるわけにはいかない条例です。これが通ってしまったならば、次には我々の生活に関わる情報が規制され始め、最終的に「都知事にオリンピック誘致の責任を取らせろ」等と言った主張すらできなくなります。それも、すべては青少年の健全育成のためな訳ですが、この「健全」とは誰にとっての「健全」なのでしょう?今歌われているのは、とてもまともな青少年のためのものではなく、歪んだ大人の勝手な主張の結果の様に思います。
私見ですが、無菌室を作るのは全く意味のない事です。正常な男子小中学生ならば、悪いですけれど、芸術的絵画や百科事典でもヌキます。それは人間という種が持つ、ごく普通の感情です。だから、そういう情報を遮断した無菌室を作るのは意味がなく、如何にして正しい情報を伝えるかが重要なのではないでしょうか?この改正案は、無菌室ばかりを要求して、それ以外の方法をすべて禁じる事になります。以下では、この件についての私見と解釈に付いて書いていこうと思います。
もうそろそろ、ヲタクと呼ばれる人間の中から、自らの権利を守り、義務を果たすためにも、議会に議員を送り込んでもいいんじゃないかと思うのです。