2010年3月23日火曜日

規制対象になるのは何か?

■青少年健全育成条例改正案
Modified: 2010年 3月 30日
まず、私自身は大学の頃に法学の講義を受けたことがある程度の素人です。従って、法律的な解釈が間違っている可能性がありますが、逆に素人の持つ不安感も出せるのではないかと思います。ちなみに学生の時に受けた講義内容は近代ファシズムについてで、私自身は理系の人間です。また、一部の解釈は私自身が規制する立場に立った場合で考えています。
■対象範囲
まず、この改正案で規制対象となるメディアについてです。これは前回以前の改正で確定しており、条例の第二条の二で定義され、「販売若しくは頒布又は閲覧若しくは観覧に供する目的をもつて作成された書籍、雑誌、文書、図画、写真、ビデオテープ及びビデオディスク並びにコンピュータ用のプログラム又はデータを記録したシー・ディー・ロムその他の電磁的方法による記録媒体並びに映写用の映画フィルム及びスライドフィルムをいう。」とされています。実は、今回の改正案ではこの定義については改正されていません。この定義では、一般的には図書としては分類されないメディアが含まれていますが、別の言い方をすれば、ここでは規制対象とするメディアを「図書類」という名称でまとめたと考えてもいいでしょう。実際、ほとんどのメディアが含まれていること、拡大解釈はどうにでも可能な点を考えれば今回の改正で再定義する必要はなかったのかもしれません。この定義に従えば、商業誌/同人誌を問わず、およそ目に見える情報が印刷されている出版流通物のほとんどすべてが規制対象になる可能性があります。例えば、都知事の出世作でさえ、小説は書籍の形式で発表されたりもしていますし、そもそも文書として成立している訳ですから、規制対象となります。
おもしろいことに、ここに含まれていないメディアが新聞/放送関係で、新聞社や放送局などが報道に積極的でないのは、自分たちは規制の対象外と他人事と言う見方をしているためと、規制対象にインターネットが含まれているからかもしれません。不勉強の上に茶番を演じた朝日新聞の記者を見ると、彼らが歪んだ正義でしかないことがわかります。以前から、新聞社や放送局は自分たちを唯一絶対の正義という座から引きずりおろしたインターネットをよく思ってはおらず、経営的にも厳しくなったのはインターネットという存在のためと考えている節があります。現に、テレビ局等は、視聴率が上がらない理由に必ずインターネットやゲーム機を挙げます。なお、インターネット関連はここの定義に含まれていませんが、改正案の一で別に指定されている事を覚えておいてください。

青少年健全育成条例改正案について考える

こちらのブログは本家「酒と趣味と自堕落な日々」から派生したモノで、東京都の青少年健全育成条例改正案についての事をまとめてみようかと思います。

幸いにして、6月までの期間が稼げたので、それまでの間はできる限りの努力をしてみようかと思います。改正案が通ってしまった場合、エロだけではなく、誰かにとって都合の悪い情報をカットする事ができますから、恣意的な運用が可能です。つまり、健全育成のためと称して、全く違った事に利用可能な条例なのが一番恐ろしいと思うのです。